『テルマ&ルイーズ』:女二人のジェンダー解放ムービー

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専業主婦のテルマとウェイトレスのルイーズは親友同士。ドライブの途中、酔って襲いかかってきた男を射殺してしまい、指名手配を受けたふたりは荒野をメキシコへと向かうが―。アメリカン・ニューシネマを思わせる展開、今だ世にはびこっている男性優位主義に激しく抵抗するヒロイン像が鮮烈。アカデミー賞では脚本賞を受賞。

午前十時の映画祭で鑑賞。
家庭や仕事の息抜き旅行が、警察に追われる逃亡劇へと一転する。リドリー・スコット監督によるバディ&ロードムービー
逃走犯として社会から逸脱する中で、理不尽に抑圧されてきた感情が溢れ始める二人。常に強くあろうとするルイーズと、優柔不断で隙だらけだったテルマの変貌ぶり。自由のために友人から相棒となる裏表な二人の姿に惚れる。
倫理や論理が渦巻いてた観客も、中盤以降は彼女達のテンションに当てられるはず。ニヤニヤと尊厳を踏みにじる輩へ、面白いと思ってるのか?と反旗を翻す姿は今見ても爽っ快。台詞回しと展開が皮肉に満ち溢れてて思わず笑ってしまう。
根底にある問題やラストの切なさに対して、彼女達自身の「誰がなんと言おうと最高の旅路だ!」という言葉がこの映画への最大級の賛辞になっている。