『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり』:ジュブナイルから中年の危機への物語


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大人達が誰も助けてくれない架空の田舎町デリー。前作はそんな町で子供たちが協力して自身の恐怖と対峙し、「IT」を打ち払うことに成功した。それから27年後の今作は、散り散りになった彼彼女たちが再び町へ呼び戻される。

物語の終幕からX年後という語りが好きな身としては、これだけでテンション上がる。前作では少し影の薄かったマイクが本作では重要人物で、裏主人公みたいになってるのがまた良い。
主人公たちの殆どが社会的に成功している一方で、40代で配偶者もいる人物達に誰も子供がいない。本人達が子供時代から未だ前に進めてないような描写を積み上げながら、前作で克服したと思っていた問題に大人になった面々が再び決着を付けにいく。
子供の頃って結局は耐え続けるしかないわけで、かなり歪な形で対処して片付けてしまうことも多い。そんな忌々しい出来事が過去となり、成長した大人の姿で回収していく展開は熱かった。
原作と違い倒し方に関しては大人になった?と疑問は残るけど、その姿はやっぱり痛快。

この手の話はヒューマンドラマとして見てしまうんだけど、もちろん驚くような仕掛けは沢山ある。正直そこまで怖くはないものの、シュールで笑える昔のホラーが好きなので面白かった。ピエロやクラウンの扱いが可哀想になるけど。

大人達が誰も助けてくれない架空の田舎町デリー。前作はそんな町で子供たちが協力して自身の恐怖と対峙し、「IT」を打ち払うことに成功した。それから27年後の今作は、散り散りになった彼彼女たちが再び町へ呼び戻される。

物語の終幕からX年後という語りが好きな身としては、これだけでテンション上がる。前作では少し影の薄かったマイクが本作では重要人物で、裏主人公みたいになってるのがまた良い。
主人公たちの殆どが社会的に成功している一方で、40代で配偶者もいる人物達に誰も子供がいない。本人達が子供時代から未だ前に進めてないような描写を積み上げながら、前作で克服したと思っていた問題に大人になった面々が再び決着を付けにいく。
子供の頃って結局は耐え続けるしかないわけで、かなり歪な形で対処して片付けてしまうことも多い。そんな忌々しい出来事が過去となり、成長した大人の姿で回収していく展開は熱かった。
原作と違い倒し方に関しては大人になった?と疑問は残るけど、その姿はやっぱり痛快。

この手の話はヒューマンドラマとして見てしまうんだけど、もちろん驚くような仕掛けは沢山ある。正直そこまで怖くはないものの、シュールで笑える昔のホラーが好きなので面白かった。ピエロやクラウンの扱いが可哀想になるけど。
ただ少し長いのも事実。中盤でそれぞれの回想を何度もするなら、原作みたいに現在と過去を交互にした方が良い。子供時代と大人時代を分けずに交互に編集したものも考えられてるらしいので見てみたい。

評価は分かれてるけど映画館でこそ活きる演出だし、思春期から思秋期という年齢設定の秀逸さが際立ってる。これが10年後の話なら物足りないけど、27年は途方もない重さだよね。
あの年齢で再び友情を取り戻し、過去と向き合う姿も勇気が出る。なにより一人の人間として新たな人生の幕開けとして祝福したくなる。
何歳になっても体力は必要だと痛感する後半含め、ジュブナイルから中年の危機へ振り切った映画版。